障がい児者のための成年後見講座
今日は栄区在住の方を対象に小菅ヶ谷地域ケアプラザにて障がい児者のための成年後見制度という題目で講座をさせていただきました。
人前で話すということが苦手ですが、去年から機会があれば積極的にやらせていただいてます。
司法書士も成年後見制度も身近といいながら、まだまだ一般的に知られていない、うまく利用できてない方が多くいるのではないかなと思います。
障がい児者のための成年後見については、認知症の高齢者の場合と違う、色々な問題が考えられます。
まず、本人の年齢が高齢ではない場合があり、後見を開始した場合は長期化する可能性が高く、親が元気なうちは親が支援をするが、年齢の順番から親が先に亡くなるケースが多く、俗にいう親亡き後問題を考えなくてはならない。
親が亡くなる前でも、親自身が認知症になってしまい、親にも後見が必要になる可能性がある。
相談の中でよくあるのが障がいがある子に財産を多く残したい。今まで相談を受けた中で障がいがある子がいた場合、必ず出る言葉です。
ただ、何の対策も無しにその子に財産を残して、兄弟がいれば兄弟やその子に財産は流れていきますが、障がいのある子に兄弟がいないような場合は最終的には財産は国のものになります。
後見制度全般にいえることですが、申立時に後見人になる予定の候補者を決めることができますが、必ずしもその人が選ばれるとは限らず、あくまでも家庭裁判所の裁量で決めます。
後見人が予定してた人でないからやっぱり辞めるということはできないので、安易に後見申立をしてしまうと予定と違っても、原則本人が亡くなるまで後見が続きます。
2000年から後見制度がスタートして、年々親族が後見人になるケースが減っています。
平成27年の統計を見てみると親族が後見人になったのは、全体で30%を下回っている状況です。
7割以上は、親族でない司法書士や弁護士、社会福祉士などの第三者が後見人になっています。
老後の備えとして、将来認知症などになって判断能力が低下したときを想定して、事前に契約をしておけば、信頼できる人を後見人に予め決めておくこともできます。
ただ、成年後見制度も万全なものではないので遺言や民事信託など他の手法も利用して、自分に万が一のことがあった時、残った家族の負担を減らすためにも、事前の対策は必要だと実務の中で痛感しています。
遺言があればこんなに困らなかったなと思いながら仕事をすることも多々あり、遺言については簡単に作ることもできるので、問題がありそうなケースでは最低限遺言を残してくれていると、残った家族の負担を減らすことができます。
ただ、作るタイミングや作った内容によっては余計な争いになることもありますが・・・